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ツバメ巣作り 一苦労?

ツバメ巣作り 一苦労?

軒先や土壁の減少 影響か

ツバメ巣作り 一苦労?
報告数が大幅に減ったツバメの巣(5月26日撮影、大津市で)

 大津市内でツバメの巣が減っていることが、市が昨年度実施した「身近な環境市民調査」でわかった。8年前の前回調査時と比べて約3分の1となっており、専門家は「巣を作りやすい軒先や土間がある家が減ってきたのが原因ではないか」と推測している。(小手川湖子)

昨年度、大津市調査 1189個 → 374個

 同調査は、対象となる生き物を毎年1種類決め、ボランティアで登録した市民が調査員となって発見場所などについて調べる。調査場所は市内であれば参加者が自由に決められ、家の周りなど無理のない範囲内でできるのが特徴で、身近な地域の自然への関心を高めてもらおうと、市が1990年度から始めた。

 ツバメ類の調査は、93年度、2016年度に続いて3回目で▽喉の部分が赤い「ツバメ」▽腰が赤茶色をした「コシアカツバメ」▽腰が白色で飛び方が素早い「イワツバメ」――の3種類について、発見場所や巣の数などについて報告する。24年度は4月7日~8月31日の間、207人が調査し、延べ865件の報告が寄せられた。

 前回調査では、3種類で延べ3049羽、1449個の巣が目撃されたが、今回は3650羽、661個だった。

 飛んでいる個体の報告数は約600羽増えているが、種類別にみると、ツバメは前回より約500羽少なかったのに対し、コシアカツバメとイワツバメが大幅に増えていた。また、巣の報告件数でもツバメは374個で前回の約3分の1に。巣全体に占めるツバメの割合は、前回比25・5ポイント減の56・6%だった。

 ツバメは3月下旬から4月中旬にかけて東南アジアから日本に渡って来て、民家や施設の軒下に泥や枯れ草で巣を作って繁殖。琵琶湖周辺では「びわこ虫」と呼ばれるユスリカなどの昆虫を食べ、9月に入ると越冬のため南下する。野生生物でありながら、人が生活する場所の近くに巣を作る数少ない存在で、定期的にモニタリング(観察)することで自然環境の豊かさを知るバロメーターになるという。

 調査を監修した湖北野鳥センター(長浜市)の植田潤所長(56)によると、軒先の減少だけでなく、土塀や土壁の民家も減り、巣の材料である泥が付きにくい建物が増えているといい、「核家族化が進んで日中は人が不在の家が増え、外敵から巣が守られにくくなったことなどが考えられる」と指摘。「ツバメの巣の場所を確保するなど、人間の工夫が必要ではないか」と話している。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE ツバメ巣作り 一苦労?

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