イベント企画へ 作家・今村さん協力
書店に足を運んでもらおうと、県書店商業組合などは28日、「本のまちづくり推進プロジェクト」を始めると発表した。大津市在住で直木賞作家の今村翔吾さんも協力して、子どもが本の魅力に触れるイベントや、県ゆかりの著名人のお薦め本を店頭で紹介する企画などを展開していく。

書店の減少は深刻で、同組合の加盟数はこの20年間でほぼ半減。現在では49事業者にとどまっており、危機感を強めた同組合と、県中小企業団体中央会が県の補助を受けてプロジェクトを始めることにした。
第1弾として、8月11日に守山市で絵本作家・長谷川義史さんの講演会や絵本の読み聞かせなどのイベントを開催する予定で、9月9日には今村さんと文芸評論家の三宅香帆さんを招いたシンポジウムを計画している。また、11月頃には県ゆかりの著名人に5冊ずつ選んでもらった本を紹介する特設ブースを書店に設けるという。
この日は、同組合の平井浩理事長や今村さんらが県庁を訪れ、三日月知事にプロジェクトについて報告。平井理事長は「滋賀でも加速度的に書店が減っている。根本的な支援をお願いしたい」と話し、三日月知事は「一緒に盛り上げたい」などと応じた。
終了後、今村さんは「滋賀の書店や本に触れる機会が残るよう、ありとあらゆる手を打たなければならない。守っていてもジリ貧で、チャレンジングな業界にならないと衰退の一途。県ならではのアイデアはきっとある」と話した。